塗る回数は何回が適正なのか?3回塗り・4回塗り・5回塗りと多くなればなるほど、良い工事に見えるけど実際どうなのか?
私自身、塗装の仕事に触れるまでは回数が多ければ多いほど、良い工事だと思ってました。
だけどここに落とし穴がありました。
塗る回数とは?
そもそも塗る回数とはなんなのかと言いますと、下塗り・中塗り・上塗りの基本の3回塗りの中で、必要な工程を増やす事にあります。2017年6月に弊社で作業している墨田区押上の建物では、5回塗りで対応しております。
この時の理由としては、下塗りを3回行ったからです。
例えば、耐久年数が10年の青い色シリコン塗料で塗装をお願いした場合、いきなり青い色のシリコン塗料は塗りません。まず、外壁の汚れを落とした後で、状況に合わせた下塗り材を塗り、外壁の劣化を直してから、青い塗料2回塗り、10年もつ効果と綺麗な青色を造ります。
※例えば外壁の劣化が激しく、水分を吸い込む状態だと下塗りを何度も行わいと、全部吸い込まれてしまい劣化を直すことができません。こんな状態で中塗り・上塗りを行うと、綺麗な色にならなかったり、2~3年でチョーキングなど劣化が始まることになります。
多く塗れば良いのか?
これは間違いです。材料メーカーでは塗布量(厚み)を明記しており、その塗布量を塗ることが大事です。
塗り薬を多く塗れば治るか?洗剤を多く使えば綺麗になるか?と同じで、必要以上行うと別の問題が発生することになります。
上記に書いたように、下塗りや中塗りなど、建物の劣化の状況により必要の場合にのみ多く塗る必要があります。
落とし穴
よく、遮熱・防カビ・断熱など特殊な塗料は多く塗った方が効果があると言って、高いお金を取り4回も5回も塗る業者さんがいらっしゃいますが、これは儲けのための嘘となります。なぜなら、遮熱・防カビ・断熱効果の塗料は汚れてしまっては、本来の効果は発揮しないからです。セルフクリーニング効果のあるリファインや、光触媒塗料を使うなど、太陽や雨の力によって外壁を綺麗にする効果があるものは、特殊な塗料の効果を長持ちさせますが、その効果がない塗料は多く塗っても塵や埃や雨跡など汚れたら終わりです。
最後に
多く塗る事を強調する営業トークには注意です。安い化粧水や美容液を多く塗るから肌にいいとは限りません。適正な材料で、品質の良いものをしっかりとした工事を行うことが大事です。また、必ず工事写真や材料の出荷証明書をもらうことをオススメします。中には倉庫の中にあまった別の塗料などを間に塗ったり、必要以上に薄めてぬる会社も多いです。不安な時は、複数の業者で相見積もりをお願いし、しっかり工事内容の確認をお願いします。
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