お客様の声:お忙しい中、迅速に対応して頂き、有難うございました。引き続き、裏側の工事もお願いすることになると思います。宜しくお願い致します。
工事情報 | |
屋根修繕工事(縁切り) | |
構造 | 2階建て |
評価 | 5点(5点満点中) |
現場写真
工事の特徴
・以前この物件の屋根塗装を依頼した業者が縁切りまたはタスペーサー設置を行わなかったため、屋根内部の劣化速度が進み、雨漏りが発生。
・スレート瓦の重なっている部分の隙間が塗料で塞がってしまっているため、スレート瓦の重なり合った縁にカッターで切り込みを入れて隙間をつくり、その隙間から雨水を逃がします。
・本来ならば縁切りにはタスペーサーが挿入されることが多いのですが、タスペーサーは塗装の途中段階で挿入するものなので、今回の現場の屋根には塗装がされている上に年数も経過していることから、カッター及び皮すきで職人さんが手作業で縁を切っていく方法で施工しました。
屋根材には様々な種類がありますが、どの屋根も、1枚1枚が重なり合ってひとつの「屋根」を形成しています。
この、屋根材が重なり合っている部分には、ちょっとした隙間が生じます。
実はこの隙間には、屋根の内部に入り込んでしまった雨水を排水するという、非常に重要な役割があります。
しかし、屋根塗装をすると、屋根が重なり合った部分の隙間が、塗料で埋まってしまいます。
隙間が塗料で閉じられてしまうと、雨水などの水分が隙間の中に溜まってしまい、内部に溜まった水に屋根外側の水もどんどん吸い寄せられるという「毛細管現象」が誘発される可能性が高くなります。
水分がどんどん屋根材の内部に浸水すると、屋根材の下にある野地板が腐りやすくなるため、室内の雨漏りなど、屋根や住宅にさまざまなリスクをもたらします。
縁切りとは
縁切りとは薄型化粧スレート屋根(スレート瓦)、カラーベストやコロニアルの屋根の塗り替え時に必要な作業です。
スレート瓦の屋根をローラー等で塗装すると、瓦の重ね目に塗料が入り込み、そのまま乾燥すると重ね目が塞がった状態になります。
縁切りとは、塗料乾燥後に塞がった隙間の塗膜を切って、水の通り道を確保する工程のことを指します。
従来は屋根の塗装後、塗膜が乾燥したら一枚一枚くっついているスレート瓦の縁をカッター等で切っていくという地道な作業でした。
現在はタスペーサーという部材の挿入で簡単に縁切り作業を行うのが主流となっています。
(タスペーサー:下塗りが完了した時点で屋根と屋根の間に入れることで隙間を作ります。タスペーサーの形や種類は様々なものがあります。縁切りに比べて手間も時間もかからず綺麗に仕上がるのが特徴となります。)
カッターによる縁切り、タスペーサーによる縁切りいずれにしても屋根と屋根の間に隙間を作る作業となります。
Q:屋根と屋根の間に隙間を作ると雨漏りの原因になるのではないか?
A:屋根と屋根との間に隙間がない方が雨水の排出先がなくなるので様々なリスクが発生します。
雨水は強風時や大雨など想定外の雨が降った時に構造上屋根材の下にも入り込むため、その雨水をどうやって排出するかが非常に重要となります。
縁切りが必要な薄型化粧スレートの屋根材は表面に溝があり、この溝は屋根材の下に雨水が侵入した際に排出します。
新築時には問題ありませんが、屋根の塗替え時に屋根塗装をすることでこの溝を塗料でふさいでしまうこともあります。
そうすると雨水の逃げ場がなくなり、屋根下地の腐食・雨漏りに繋がるのです。
屋根塗装をした際には必ず雨水の逃げ道を作ってあげる作業『縁切り』が必要になるのです。
最後に
スレート瓦の屋根塗装では必須工程であるにもかかわらず、「縁切り」がされていないケースは珍しくありません。
縁切りは実に手間がかかる作業ですが、縁切りをするか否かで建物が受けるダメージに大きな差が出てきます。
実際のところ、タスペーサーを挿入する必要のない場合も存在するのでタスペーサーが見積もりの項目にない=信頼できない業者ではありません。
外から見ただけでは劣化状態がわかりにくく、足場やはしごがなければ見る機会がほとんどない部位だからこそ、しっかりと調査をしてもらい、丁寧に対応してくれる業者を選びたいものです。
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