新宿区 ツインヴィレッジ防水工事
新宿区にあるビルの屋上・ルーフバルコニー・バルコニーの防水工事を【ウレタン塗膜防水の通気緩衝工法】で行いました。
工事情報 | |
防水工事 | |
構造 | RC造(鉄筋コンクリート) 7階建 |
工事前
工事後
工事の特徴
■ウレタン防水塗膜
■仕様:通気緩衝工法 AV-KK50T
■防水材メーカー:サラセーヌ
今回の防水工事では下地調整を行ってから通気シート→防水材を塗布しました。カチオンモルタルで下地表面を強化し、防水性能を上げ、強固な下地にする為に施工を行います。
下地調整施工後は平滑な面にする為、ケレンが重要な作業になってきます。
工事の様子
下地調整
下地調整のため、カチオンモルタルを塗布しました。
既存防水層を除去した後に、下地の劣化箇所の補修をしっかり行い、平滑にすることで下地塗料・防水塗料の密着性がよくなり、防水性能も高まります。
ケレン
高圧洗浄後、既存下地の錆や汚れを除去します。ケレン作業をしっかり行わないと、表面の状態が悪いまま防水塗料を塗ることになるので耐久性にも差が出ます。
伸縮目地部分のコーキング注入
伸縮目地部分にしっかりとしたコーキング(シーリング)材を充填することで、 防水層との密着性と伸縮性を高めて防水層が下地から受ける景況を最小限にし、しいては防水層の伸縮性能をアップすることになります。
プライマー塗布
ウレタンとの密着をよくするための接着剤です。次に塗る防水材を密着しやすくする事と、小さなひび割れなどを補修する重要な作業になります。
通気シート貼り
下地に貼る通気シートです。防水層内の湿気は外に通しますが、外部側の湿気や水は通さないのが特徴です。
このシートには通気以外に、建物の衝撃を防水層に伝えにくくする緩衝の効果もあります。メーカーによっては防水層の上からもシートの模様が見えますが、見えないシートの場合には写真などでしっかり確認することが必要です。
改修用ドレン設置
排水溝(ドレン)を部分的に付け替える作業です。
排水溝の破損・詰まりなどによって、そこから雨漏りが起きます。改修工事では排水溝全体の修繕はできないため、排水溝の先端部分を新たに取り付けます。
そうすることによって防水効果が保たれます。
脱気筒設置
脱気装置とは、防水層に湿気の逃げ道を作って膨れを防止する重要な役割があります。
下地コンクリートは日常の雨・屋内の湿気・水分を含んでおり、昼夜の温暖差や太陽熱により水蒸気を発生させます。
この水蒸気によって防水層が膨れ、耐久性が弱くなることで劣化を促進してしまい、雨漏りの原因となります。
こういった防水層の膨らみを防止するのが脱気筒です。水蒸気を逃がすことで、防水効果・建物の耐久性保持にも役立ちます。
立上りメッシュ補強
立上りとは、施工面の平らな場所(平場)に対して、垂直に移行した部分のことを言います。その垂直部分にメッシュシートを貼っていきます。
メッシュシート→ガーゼのような網目状のシートになっていて防水層の強度を増す補強シートです。
メッシュシートを下地に張ることで、下地が衝撃や歪みで動いても上の防水層への影響を緩和させてひび割れを抑制する役割があります。
また、塗膜防水内に補強布が入ることで強度を保ちウレタン塗膜防水が切れにくくなります。
ウレタン防水塗料1層目塗布
ウレタン塗料で防水層を作る作業は、1層目と2層目の2回塗りでより強度な防水層を作ることができます。
ウレタン防水は液体で防水層を形成するので、下地の形状になじみやすく、継ぎ目のない防水層が出来上がります。
そのため、複雑な場所でも問題なく施行することができ、防水工事では最も使用される工法です。
ウレタン防水塗料2層目塗布
1層目が完全に乾いたら2層目を塗布します。2層目の塗布により、メーカーの推奨する必要な厚みになり、本来持つ防水性能を発揮します。
トップコート塗布
トップコートは一番上に塗る塗料
こちらはウレタン防水材とは異なり、防水機能のない保護塗料です。日焼け止めに近い意味があります。
工事完了
最後に
通気緩衝工法について
通気緩衝工法は通期緩衝シートを張り付けた上からウレタン防水材を塗布する防水工法で、防水層と下地が密着しません。
通気性があるので防水層の寿命が長く、雨漏りにも効果的な工法です。
あらゆる場所に施工できます。また、伸縮性もあるため、地震などの揺れにも強いです。
ウレタン塗膜防水の膜厚が薄い場合は早期劣化が発生しやすく、下地の挙動に追従できずに破れたり、亀裂が入る原因となります。
安全・信頼性ともに高い工法ですが、専門業者でないと提案ができない工法でもあります。
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