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外壁塗装を資本的支出とするメリットと耐用年数との関係性
賃貸用などの不動産を所有している方が、アパートやマンションなどの外壁塗装を行ったときに、その費用を確定申告時に資本的支出として計上するのか、修繕費として計上するのかによって、申告方法や経費として計上できる額や納税額が変わってきます。
建物の規模が大きくなれば外壁塗装費用もかなりの金額になりますので、節税などの面で非常に重要なポイントになります。
ここでは、外壁塗装費用を資本的支出とみなされる条件、メリット、耐用年数との関係などについて説明します。
資本的支出って何?
所有する不動産の修理、改良などのために支出した金額のうち、その不動産の価値を高めたり、耐久性を増したりするための支出金額のことを資本的支出と言います。
つまり、固定資産の価値を元の状態以上に高めるために行なわれた支出ということです。
外壁塗装が資本的支出とみなされる条件とは?
外壁塗装費用の中で資本的支出とみなされるのは、次のような場合です。
1.建物そのものの価値を高めるために塗装する。
外壁をより美しい色にするためなど
2.外壁のデザインを変えるために塗装する。
外壁を豪華なデザイン・外観に変更するためなど
3.建物の耐久性を高めるために塗装する。
元の塗料よりも耐久性の高い塗料で塗り替えるなど
なお、外壁のひび割れや剥がれ、色あせ、傷の補修などを目的として行った場合は、「建物の通常の維持管理」や「建物の現状の回復」のための修繕とみなされますので、修繕費となります。
外壁塗装を資本的支出とするメリット
外壁塗装費用を資本的支出とするメリットは、毎年の確定申告時に減価償却費として計上することによって経費を増やすことができるため節税になることです。
減価償却費の場合は数年にわたって計上していくため、利益が少ない年は翌年に繰り越すというような、臨機応変な対応ができます。例えば、外壁塗装を行った年の翌年に大きく売り上げが伸びた場合でも、減価償却費が計上されますので所得が抑えられ、節税になります。
また、売り上げの増減が大きい場合にも、減価償却費が計上されることによって所得の増減が緩和されますので、銀行からの融資の際に有利になることがあります。
外壁塗装を資本的支出とするデメリット
前述のように、外壁塗装費用を資本的支出とすると、その費用を減価償却費として耐用年数期間にわたって計上していくため、すべての費用を計上するためには年数がかかってしまうことがデメリットということになります。
外壁塗装における資本的支出と耐用年数の関係とは?
税制上の考え方として、外壁は建物の一部とみなされますので、外壁塗装にも建物の法定耐用年数が適用されます。つまり、塗料の耐用年数が外壁塗装の原価償却期間となるわけではありません。
資本的支出として処理する場合は、外壁塗装費用を耐用年数の全期間にわたって分割して減価償却費として毎年計上しますので、複数年の税金を安くできます。
外壁塗装をどんな目的で行うのかが大切!
ご説明してきたように、外壁塗装をどのような目的で行うのかによって、資本的支出になるのか、修繕費になるのかが変わり、確定申告の方法も変わってきます。
また、どちらを選ぶかによって確定申告の際に申告できる経費が変わってきますので、所有者の経営状態に合わせた税金対策ができることにもなります。しかし、ここで注意しておかなければならないのは、資本的支出になるのか、修繕費になるのかの判断は難しいところがあり、所有者が任意に選べるわけではなく、最終的には税務署の判断によるということです。
詳細についてはケースバイケースでの検討が必要となりますので、不明点などは税理士や塗装業者、役所の方と相談をしてみましょう。
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